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建築PM/CM会社への依頼タイミング|早ければ早いほど効果的な理由

  • 6月12日
  • 読了時間: 5分

建築プロジェクトマネジメント(PM)やコンストラクションマネジメント(CM)の必要性は理解しても、「いつ依頼すべきか」で迷う発注者は少なくありません。「設計図ができてから相談しよう」「施工に入る前に判断しよう」――こうした判断が、結果としてPM/CMの効果を大幅に減じる原因となっています。本記事では、建築プロジェクトの各フェーズでPM/CMを依頼した場合の効果差、早期依頼のメリット、段階別の費用対効果比較を整理し、依頼タイミングの判断基準を明確化します。結論を先に示すと、早ければ早いほど効果的――これがプロジェクトマネジメントの基本原則です。

なぜ「依頼タイミング」がそれほど重要なのか


建築プロジェクトには「コストに対する影響力」というカーブが存在します。プロジェクトの初期段階ほど、意思決定がコスト全体に与える影響は大きく、フェーズが進むにつれて影響力は急速に低下していきます。一般に、企画段階での意思決定が建設コスト全体の70~80%を左右するといわれます。PM/CMの介入も同じカーブの影響を受けます。早期に介入できれば、コスト構造・スケジュール・品質要件のすべてに対して大きな影響を与えられますが、後工程では「決まったことの確認」しかできなくなります。

フェーズ別、依頼タイミングと得られる効果

企画段階での依頼は最も効果的です。事業構想・基本構想・要件定義の段階で起用することで、事業目的に照らした要件の整理と優先順位付け、適切な発注方式の選択、概算予算の妥当性検証、ステークホルダー調整プロセスの設計、スケジュール骨格の最適化ができます。コスト削減効果の80~100%を取りこぼさずに享受でき、CMフィーの数倍~十数倍の効果を生むケースもあります。


基本計画段階での依頼も非常に効果的です。敷地条件の評価・概算コストの精緻化・設計者選定の段階で起用し、設計者・施工者選定の支援、発注方式の最終決定支援、概算予算の精緻化、主要要件の文書化を行います。コスト削減効果の60~80%程度を享受できます。


設計段階での依頼は効果中程度です。設計図書の妥当性チェック、VE・CD提案の促進、設計変更の統制、工事費見積りの査定が主要業務となります。コスト削減効果は30~50%程度にとどまり、要件定義段階での判断ミスは既に固定化されています。


施工段階での依頼は効果限定的です。工程・品質・原価・安全のモニタリング、設計変更時の妥当性検証、追加工事費の精査、竟工検査の支援が主となります。コスト削減効果は5~15%程度。すでに発生している契約金額は変えられないため、変更管理が中心となります。

早期依頼が効果的な3つの理由

第一に、意思決定の上流を握れること。建築プロジェクトの大半のコスト・スケジュールは、初期の意思決定(用途・規模・構造方式・発注方式)で確定します。早期にPM/CMが入ることで、これらの意思決定を最適化できます。第二に、手戻り(リワーク)を未然に防げること。要件定義が不十分なまま設計に進むと、設計途中で「やっぱり違う」が連発し、設計図の作り直しや工程の延伸が発生します。第三に、発注者の交渉力が最大化されること。設計者・施工者が決まる前であれば、発注者は競争原理・選択肢のすべてを保持しています。

「とはいえ既に進んでしまった」場合の判断基準

すでにプロジェクトが進行中で、今からPM/CM導入を検討する場合の判断基準を整理します。残工期が長く、残工事費も大きい場合は、今からでも導入メリットがあります。進行中のトラブル(コスト超過・工期遅延・品質問題)が発生中の場合は、第三者の視点で立て直しを図るためにPM/CM導入が有効です。大きな設計変更が見込まれる場合も、変更管理にPM/CMが価値を発揮できます。

まとめ

PM/CMへの依頼は、プロジェクトの企画段階、できれば事業構想を固める段階で意思決定するのが最善です。「設計図ができてから」「施工者が決まってから」「問題が起きてから」という後追いの依頼は、得られる価値を大きく目減りさせます。事業計画書を作成する段階で、PM/CMをいつ起用するかを予算計画とセットで議論してください。これだけでプロジェクトの成功確率が大きく変わります。


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