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原状回復見積もりの見方・チェックポイント|適正価格を見極める方法

  • shuheikakita9
  • 2025年12月21日
  • 読了時間: 6分

更新日:1月15日

退去時の原状回復見積もりを受け取ったものの、「この金額は高いのか安いのか分からない」「どこをチェックすればいいのか不明」と感じていませんか?


実は、原状回復工事の見積もりは、表面の金額だけを見ても正しい判断ができないのが実情です。

同じ面積・同じオフィスでも、工事範囲の定義や項目の見込み方によって、数百万円単位の差が出ることも珍しくありません。


この記事では、原状回復コンサルタントとして多数のオフィス退去案件を支援してきたフォレルが、見積書を正しく読み解き、適正価格を見極めるためのポイントを実例を交えて解説します。



1.原状回復見積もりの基本構成を理解する


1.1 見積書の3つの要素

原状回復の見積書は、以下の3つの要素で構成されています。

✅工事項目(何をするのか)

✅数量(どれだけ行うのか)

✅単価(1単位あたりの金額)


これらが明確に記載されていれば、見積もりの根拠が確認できます。

逆に「一式」「概算」とだけ書かれている場合は、内容の透明性が低く、金額の妥当性を判断できないリスクがあります。



1.2 「原状回復」と「改修工事」は別物

見積書の中に「内装改修」「デザイン変更」などの項目が含まれている場合、それは借主の負担範囲を超えた工事となる場合が一般的です。 原状回復とは「入居時の状態に戻す」工事であり、グレードアップ工事(例:より高級なクロスや床材への変更)は本来オーナー負担です。


補足:

民法第621条では「賃借物を原状に復して返還する義務」が規定されていますが、通常損耗(経年劣化)や日照による変色は借主負担には含まれません。賃貸借契約の特約事項を照らし合わせての確認をお勧めします。



2.見積もりチェックの5つの視点

オフィスの原状回復見積もりを確認するときは、以下の5つの観点からチェックすると効果的です。

① 工事項目の妥当性

契約書の「原状回復規定」や入居時の状態記録と照らし合わせ、本当に必要な工事かを判断します。

例えば、OAフロアや空調設備の更新が入っていても、それが入居時に既設だった場合は借主負担外となることがあります。


② 単価の適正性

工事単価は会社ごとに差がありますが、公共積算基準や建設物価などの公表単価と比較すると、相場感をつかめます。

特に内装仕上げ工事(壁・床・天井)は、実勢単価が明確な分野です。


実例:

床のタイルカーペットを「全張替え」で計上されていたが、実際には部分補修で十分と判明。再精査により約百万円のコスト削減につながった。


③ 数量の整合性

図面や現地寸法と合わない数量が記載されているケースもあります。

「㎡数が実際より多い」「天井材が全て交換になっている」など、数量の過大計上は要注意です。


④ 工程・日数の妥当性

オフィス退去工事では、夜間作業や休日工事が発生する場合もあります。

「工程上の難易度」「搬出経路」「作業制限」が金額に反映されているかを確認しましょう。


⑤ 見積条件の明記

見積書の下部に記載されている「見積条件欄」も重要です。

例えば「共用部使用料」「残置物撤去」「夜間工事費」などの条件が明示されていない場合、後から追加費用を請求されるリスクがあります。特に工事会社から見積外工事に関して説明がない場合もあり、あとから抜け漏れが発覚して、手配や工事が間に合わないということになることも多くあります。





3.見積もりでよくある落とし穴


3.1 一式見積もりの危険性

「内装工事一式」「電気工事一式」といった表記は、工事項目の詳細が不明なため注意が必要です。

内訳を求めることで、不要な項目や過剰仕様を明確化できます。


3.2 共通仮設費・現場経費の過大計上

これらの経費は通常「工事金額の5~10%」が目安ですが、20%以上となっているケースもあります。

内容を確認し、過大であれば根拠を求めましょう。


3.3 借主負担外の項目が含まれている

原状回復の範囲外(共用部改修、オーナー側設備の更新など)が含まれていることがあります。

契約書と照らし合わせ、負担範囲を明確にすることが重要です。


実例:

あるオフィスで、貸主設備である空調機交換が借主見積に含まれていたケース。契約上の責任区分を整理し、約400万円の削減に成功。




4.見積もり比較の本質は「価格」ではなく「範囲」

複数の業者から見積もりを取った場合、単純に「総額の安さ」で判断するのは危険です。

比較すべきは工事範囲と内容の整合性です。例えば、A社は天井・壁・床すべてを交換、B社は壁と床のみ交換――この場合、単価ではなく「どの範囲まで施工しているか」を比較すべきです。また、夜間作業や搬出費が別途見積もりになっていることもあります。

比較の際は「見積書+仕様書+図面」をセットで確認し、条件の違いを整理しましょう。


補足:

フォレルでは、数量表・仕上げ表・工事範囲表を用いて各社見積の整合性を数値化し、正確な比較ができる仕組みを導入しています。




5.適正価格を判断するための基準


5.1 参考にできる公的データ

✅公共積算基準(国土交通省発表)

✅建設物価・積算資料(市販データ)

✅同規模オフィス・物件用途の実勢単価データ

これらを参照することで、相場感と妥当性を把握できます。


5.2 フォレルの評価手法

フォレルでは、公共単価・実勢価格・契約条件をもとに第三者の立場で評価レポートを作成します。

単純な値引き交渉ではなく、「根拠ある適正評価」を重視しており、費用削減とオーナーとの信頼関係の両立を目指します。


実例:

大型オフィス(約700坪)の案件で、当初見積3.4億→精査後2.9億円に圧縮。範囲・単価・経費を整理し、関係者全員が納得できる形で契約締結。



6.不当請求・トラブルを防ぐためのチェックリスト

契約書にない工事が含まれていないか

✅見積条件(夜間作業・共用部使用料)が明示されているか

✅仕様や数量が図面と整合しているか

✅「一式見積もり」の内訳を確認したか

✅オーナー・管理会社と事前合意を取ったか

これらを整理するだけでも、トラブルの7~8割は未然に防ぐことができます。



まとめ:見積もり精査は「交渉」ではなく「検証」

原状回復見積もりのチェックとは、価格を下げるための交渉ではなく、工事内容の妥当性を検証するプロセスです。

正しい見方を知れば、「なぜこの金額になるのか」が理解でき、不要なコストを支払わずに済みます。


もし見積もりに違和感を感じたら、早めの段階で専門家に相談することをおすすめします。


フォレルでは、第三者の立場から見積内容を精査し、工事範囲・責任区分・価格を総合的に判断します。退去準備中の段階でも構いません。まずはお気軽にご相談ください。



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