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原状回復費用を抑えるための交渉ポイントと業種別事例

  • shuheikakita9
  • 2025年12月20日
  • 読了時間: 6分

更新日:1月15日

「原状回復の見積りを受け取ったが、金額が高すぎる気がする」

「どの項目が交渉できるのか分からない」

「業種によって費用が違うと聞いたが、具体的にどの部分が高くなるのか知りたい」


原状回復費用は、工事内容やテナントの業種によって大きく変動します。

見積書を見ただけでは適正価格かどうか判断できず、相場より高い費用をそのまま支払ってしまうケースも少なくありません。


そこで本記事では、

✅費用交渉の具体的なポイント

✅交渉できる項目・できない項目の見極め方

✅業種別に注意すべき原状回復工事の事例

を詳しく解説します。


読後には、「どの項目を交渉すべきか」「何を削るべきでないか」が明確になり、無理のないコスト削減が実現できるはずです。


1. 原状回復費用を抑えるための交渉の基本

見積内容を確認し、「相場より高い」と感じた場合は、適切な範囲で価格交渉を行うことが重要です。

ただし、すべての項目が交渉対象になるわけではありません。

工事項目の性質を理解したうえで、「交渉が有効な項目」と「交渉が難しい項目」を見極めることで、無理のないコスト削減が可能になります。


2. 交渉が有効な項目

諸経費・管理費

「諸経費」「現場管理費」などは、工事金額の10〜15%前後に設定されることが一般的ですが、業者によって幅があります。 諸経費には現場監督の人件費や車両費、事務管理費などが含まれますが、著しく諸経費が高額な場合は減額交渉の余地があります。


交渉例:

「諸経費の割合が高い理由をもう少し詳しく教えていただけますか?」

「相場比較しているのですが、管理費の割合を少し見直していただけませんか?」

明確な根拠を求めつつ、丁寧に交渉することで、数十万円〜数百万円の削減につながるケースもあります。


廃材処理費

撤去工事に伴う廃材処理費も交渉可能な項目です。

この費用は「処分量×処理単価」で算出されるのが一般的ですが、実際の廃材量に比べて過大に計上されているケースが見受けられます。


チェックポイント:

廃材の「種類」や「数量」が具体的に記載されているか?

「運搬費」「処分費」が二重計上されていないか?


交渉例:

「この処分費は、実際にどの種類の廃材が対象でしょうか?」

「処理業者をこちらで手配する場合、費用を減額できますか?」


場合によっては、テナント側で什器やパーティションなど処分を手配することでコストを抑えることも可能です。


任意性の高い工事

契約上必須ではない「美装工事」「設備更新」などの任意性の高い項目も、見直し対象です。

例えば「エアコン分解洗浄」「照明器具の新品交換」などは、原状回復義務の範囲を超える場合があります。

対応策:

契約書・原状回復規定を再確認する

「入居時の状態に戻す」範囲を超える工事を削除または縮小する


交渉例:

「この項目は原状回復義務に含まれますか?」

「簡易清掃での対応に変更できますか?」


任意工事の見直しによって、全体コストを10〜20%削減できるケースもあります。


3. 交渉が難しい項目

材料費(市場価格に連動)

材料費はメーカーの仕入れ価格や市況に左右されるため、大幅な値引きは難しい項目です。

特に近年は、建材・塗料・接着剤などの価格が上昇傾向にあるため、過度な値下げ要求は現実的ではありません。

ただし、同等品への代替提案を受けることで、品質を保ちながらコストを抑えられる場合があります。

例: 「同等グレードでコストを抑えられる材料はありますか?」


法的に必須の工事

防火区画の復旧、アスベスト除去、電気・消防設備の撤去・復旧など、法令で定められた工事は交渉対象外です。

これらを省略すると、建物の安全性・法令適合性に影響するため、ビルオーナーから是正を求められる可能性があります。

ポイント:

✅法令遵守工事は「最低限の義務」として扱う

✅不要な拡張工事や仕様変更が含まれていないかのみ確認する


安全対策費用

高所作業・夜間工事・搬出入時の安全管理などに関わる費用も削減は困難です。

安全対策は労働安全衛生法などに基づく義務であり、適切な管理体制を維持するための必要経費です。


むしろ極端に安い見積りは、安全面が軽視されているリスクがあるため注意が必要です。

一方でビルの規定では昼間工事が可能とされている場合でも夜間工事として見積もりがされている場合があり、その場合には工事時間の変更について協議が可能です。


4. 業種別の特殊事情による費用増減事例

原状回復費用は業種によって工事内容が大きく異なり、同じ面積でも費用差が数倍に及ぶことがあります。

以下では、業種別の代表的な事例と対策を紹介します。


研究施設等のケース

研究施設、R&D施設などでは、実験台や実験設備に伴う「給排水管の撤去・復旧」などが必要になります。

配管が床下や壁内にまで及ぶことが多く、一般オフィスよりも高額になりやすい項目です。

また、専用電源(200V)を使用している場合は電気復旧費も加算されます。

対策:

✅入居時点で配管ルートや専用回路を図面化

✅撤去時に複数業者から相見積もりを取得

✅残置交渉により再利用可能な部分を残す

これにより、給排水関連で数十万円規模の削減が可能です。


クリニックD社のケース

医療機関では、「医療ガス設備」「床下配線」「防音仕様壁」など特殊設備が多く、原状回復費が一般テナントの1.5〜2倍に達するケースがあります。

特に医療ガス撤去は有資格者による安全処理が必要なため、費用が膨らみがちです。

対策:

✅設計段階で撤去容易な「露出配管方式」を採用

✅「封印処理」で対応できるか業者に確認

✅早期に専門業者へ相談し、撤去範囲を最小化


厨房・キッチンのある施設E社のケース

厨房のある施設では、厨房設備の撤去に伴い「グリストラップ清掃・撤去」「ダクト清掃」「防水床補修」などが必要になります。 油汚れや臭気の除去が不十分だと再施工を求められるリスクがあるため、注意が必要です。

対策:

✅リース・買取設備を明確に区分

✅排気ダクト清掃を専門業者に依頼し証明書を提出

✅撤去と清掃を同時進行することで工期短縮とコスト圧縮


IT企業F社のケース(電算室、データセンター)

サーバールームや通信機器を設置していた場合、電源設備や床下配線の撤去費が高額になる傾向があります。

また、耐震アンカーや免震OAフロア補修などの追加費用も発生しやすい分野です。

対策:

✅入居時に配線・固定箇所を明示しておく

✅部分張り替えで対応可能かを確認

✅電気工事と内装工事を分離発注しコストを最適化


5. まとめ

価格交渉を行う際は、「どの項目なら交渉できるか」「どこは削れないか」を正確に見極めることが成功のカギです。

感情的な値下げ交渉ではなく、根拠と透明性に基づいた冷静な対話を心がけましょう。

また、交渉に入る前に専門家へ見積書の事前確認を依頼すれば、

「削減できる項目」と「維持すべき項目」を明確に整理し、より効果的な交渉が可能になります。


専門家に無料相談も可能です。

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